カンナビノイドCBV(カンナビバリン)とは?効果・特徴・最新研究を徹底解説【2026年版】

カンナビノイドCBV(カンナビバリン)とは?効果・特徴・最新研究を徹底解説【2026年版】

最終更新日:2026年3月25日 | 読了目安:約20分

✅ この記事でわかること

CBV(カンナビバリン)の定義・化学構造・CBNやTHCVとの関係・エンドカンナビノイドシステム(ECS)への作用機序・2025年発表の鎮痛研究データ・ACE2受容体との結合可能性・他のカンナビノイド(CBD・CBN・CBG)との違い・法的位置づけ・今後の研究展望まで、学術論文のエビデンスに基づき網羅的に解説します。

カンナビノイド研究が加速する中、CBD・CBN・CBGに続く「次世代の注目成分」として浮上しているのがCBV(Cannabivarin / カンナビバリン)です。

CBVは大麻草(Cannabis sativa)に微量含まれる天然カンナビノイドで、精神活性作用を持たないことが確認されています。THC(テトラヒドロカンナビノール)のような「ハイ」になる作用がなく、安全性の面で注目を集めています。

この記事では、CBVの基礎知識から最新の科学的知見まで、信頼できる学術論文やデータベースの情報を交えて、どこよりも詳しく解説していきます。

📑 目次

  1. CBV(カンナビバリン)とは?基本定義と概要
  2. CBVの化学構造と分子的特徴
  3. CBVの生合成経路:THCVからCBVへ
  4. CBVとCBN・THCV・CBDの違い【比較表】
  5. エンドカンナビノイドシステム(ECS)への作用
  6. CBVの期待される効果と最新研究
  7. CBVとACE2受容体:抗ウイルス研究
  8. CBVの法的位置づけ
  9. CBVと他カンナビノイドの相乗効果(アントラージュ効果)
  10. CBVの検出・分析方法
  11. CBV研究の今後の展望
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ
  14. 参考文献一覧

1. CBV(カンナビバリン)とは?基本定義と概要

CBV(Cannabivarin / カンナビバリン)は、カンナビバロール(Cannabivarol)とも呼ばれる非精神活性のフィトカンナビノイドです。大麻草(Cannabis sativa L.)に天然で含まれる120種類以上のカンナビノイドの一つで、植物体内にごく微量しか存在しないため「マイナーカンナビノイド」に分類されます。

CBVの主な特徴を簡潔にまとめると以下の通りです。

項目内容
正式名称Cannabivarin(カンナビバリン)/ Cannabivarol(カンナビバロール)
化学式C₁₉H₂₂O₂
分子量282.38 g/mol
CAS番号33745-21-0
IUPAC名6,6,9-trimethyl-3-propyl-6H-benzo[c]chromen-1-ol
精神活性なし(非精神活性)
前駆体THCV(テトラヒドロカンナビバリン)の酸化生成物
構造的類縁体CBN(カンナビノール)のプロピル同族体
植物中の含有量微量(マイナーカンナビノイド)

CBVは1960年代に他の主要カンナビノイド(THCやCBD)とともに初めて単離・同定されました。しかし、植物中の含有量が極めて少ないこと、そして研究資金がTHCやCBDに集中したことから、長らく研究の対象外に置かれてきました。

💡 ポイント
CBVはTHCのような精神活性作用がないため、法的リスクが低く、安全性の面でも研究対象として注目されています。近年のマイナーカンナビノイド研究の活性化に伴い、CBVの薬理学的プロファイルの解明が急速に進んでいます。

参考:PubChem – Cannabivarin (CID 622545)Wikipedia – Cannabivarin

2. CBVの化学構造と分子的特徴

CBVの化学構造を理解することは、その薬理作用や他カンナビノイドとの違いを把握するうえで重要です。

2-1. 基本骨格:ジベンゾピラン構造

CBVの基本骨格は、多くのカンナビノイドに共通する三環系ジベンゾピラン構造です。具体的には、フェノール性ベンゼン環、中央のピラン環、シクロヘキセン環が縮合した構造を持っています。

2-2. プロピル基:CBVを特徴づける最大の構造的差異

CBVの最も重要な構造的特徴は、芳香環の3位にプロピル基(-C₃H₇)を持つことです。これに対し、よく知られたCBN(カンナビノール)は同じ位置にペンチル基(-C₅H₁₁)を持っています。つまり、CBVはCBNの側鎖がメチレン橋2つ分(-CH₂-×2)短くなった同族体(ホモログ)です。

この側鎖の長さの違いは、以下に影響を及ぼします。

特性影響
脂溶性(LogP値)プロピル基はペンチル基より短いため、やや疎水性が低い
受容体結合親和性CB1・CB2受容体への結合力がCBNとは異なるプロファイルを示す
代謝経路肝臓での代謝速度や代謝産物のパターンに差異
膜透過性細胞膜や血液脳関門への透過特性が変化

2-3. その他の構造的特徴

CBVのその他の主要な構造的特徴として、1位にヒドロキシル基(-OH)を持ち水素結合が可能であること、ピラン環の6位にジェミナルジメチル基を有すること、シクロヘキセン環の9位にメチル基があること、そして二重結合異性体や立体異性体を持たない化学的に安定した分子であることが挙げられます。この構造安定性は、品質管理や分析において有利に働きます。

参考:ChemSpider – CannabivarinLGC Standards – CBV Reference Material

3. CBVの生合成経路:THCVからCBVへ

CBVが大麻草の中でどのように作られるのかを理解することで、他のカンナビノイドとの関係性が明確になります。

3-1. 生合成のスタート地点:CBGVA

CBVの生合成は、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)からスタートします。CBGVAはカンナビノイドの「母体分子」であるCBGA(カンナビゲロール酸)のバリン型前駆体です。

3-2. 酵素変換とCBVの生成プロセス

CBVが生成されるまでの過程は以下の通りです。

ステップ①:CBGVAがTHCVA合成酵素の作用によりTHCVA(テトラヒドロカンナビバリン酸)に変換される。

ステップ②:THCVAが加熱・光・時間経過による脱炭酸を経てTHCV(テトラヒドロカンナビバリン)になる。

ステップ③:THCVが空気中の酸素、紫外線、経年変化による酸化を受けてCBV(カンナビバリン)に変換される。

💡 ポイント
この経路は、THCが酸化されてCBNになるプロセスと非常によく似ています。THC → CBN の関係が THCV → CBV の関係に相当します。つまり、CBVは「バリン型のCBN」と理解することができます。

3-3. 人工的な合成経路

研究・医薬品開発の目的で、CBVの人工的な生産方法も確立されています。主なアプローチとして、UV光照射下でTHCV溶液を空気攪拌して酸化させる化学酸化法と、バイオリアクター内で酵素を用いてCBGVAからTHCVA→THCV→CBVと段階的に変換する生体酵素合成法があります。生体酵素合成法は、pH 3.0〜8.0、温度約30℃の条件下で行われ、エタノールやDMSOを含む溶媒系で実施されます。

参考:WIPO特許 WO2017175064A1 – Bioenzymatic Synthesis of THC-V, CBN, and CBV

4. CBVとCBN・THCV・CBDの違い【比較表】

CBVを理解するうえで、関連性の高い他のカンナビノイドとの比較が有効です。

項目CBVCBNTHCVCBD
正式名称 カンナビバリン カンナビノール テトラヒドロカンナビバリン カンナビジオール
化学式 C₁₉H₂₂O₂ C₂₁H₂₆O₂ C₁₉H₂₆O₂ C₂₁H₃₀O₂
側鎖 プロピル(C3) ペンチル(C5) プロピル(C3) ペンチル(C5)
精神活性 なし 軽度 低〜中用量で拮抗的 なし
生成経路 THCVの酸化 THCの酸化 THCVAの脱炭酸 CBDAの脱炭酸
CB1親和性 低い 弱い部分作動薬 用量依存的 非常に低い
CB2親和性 低い 弱い親和性 部分作動薬 逆作動薬
含有量 微量 少量〜中量 少量 多量
研究の進展度 初期段階 中程度 中程度 広範

4-1. CBVとCBNの関係

CBVとCBNは、ともに「酸化型カンナビノイド」という共通点を持ちます。どちらもテトラヒドロカンナビノイド(THC系/THCV系)が空気や光によって酸化されて生成されます。構造的には、側鎖の長さが唯一の大きな違いです。CBNはペンチル基(炭素5個)、CBVはプロピル基(炭素3個)を持っています。

4-2. CBVとTHCVの関係

THCVはCBVの直接的な前駆体です。THCVが酸化されるとCBVが生成されます。THCVは低用量ではCB1受容体の拮抗薬として働き、食欲抑制作用が報告されていますが、CBVにはそのような作用は確認されていません。

カンナビノイド原料について詳しくはこちら:

CBDアイソレート CBNアイソレート CBGアイソレート

5. エンドカンナビノイドシステム(ECS)への作用

エンドカンナビノイドシステム(ECS)は、痛み、炎症、気分、免疫応答、睡眠など、体内のさまざまな生理機能の恒常性を維持する生体内ネットワークです。ECSは主にCB1受容体(中枢神経系に多い)とCB2受容体(免疫系に多い)、内因性カンナビノイド(アナンダミドや2-AG)、そしてそれらを分解する酵素(FAAHやMAGL)で構成されています。

5-1. CB1・CB2受容体との結合

CBVはCB1受容体およびCB2受容体に対して低い結合親和性を示すことが報告されています。これはCBVが精神活性作用を持たない主な理由の一つです。THCがCB1受容体に強く結合して精神活性作用を引き起こすのとは対照的に、CBVの結合力は非常に弱いとされています。

5-2. TRP受容体との関わり

近年の研究では、CBVがCB1/CB2以外の受容体システムを介して作用する可能性が示唆されています。特に注目されているのがTRP(Transient Receptor Potential)チャネルファミリーです。TRPV1やTRPV2は、痛み・炎症・体温調節に関わる受容体で、カプサイシン(唐辛子の辛味成分)のターゲットとしても知られています。2025年のモントリオール大学の研究では、CBVがバニロイド受容体ホモログ(OSM-9やOCR-2)を介して鎮痛効果を発揮する可能性が示されています。

5-3. FAAH酵素阻害の可能性

CBVが内因性カンナビノイドの分解酵素であるFAAH(脂肪酸アミド加水分解酵素)を阻害する可能性も指摘されています。FAAHが阻害されると、体内のアナンダミド濃度が上昇し、ECSの活性化につながります。この仮説が正しければ、CBVは直接的な受容体結合ではなく、内因性カンナビノイドの濃度を調節することでECSに間接的に働きかけている可能性があります。

参考:Metabolon – Cannabivarin

6. CBVの期待される効果と最新研究

CBVの研究はまだ初期段階ですが、複数の前臨床研究(動物実験・in vitro実験)において有望な結果が報告されています。

6-1. 鎮痛作用(抗侵害受容作用)【2025年最新研究】

CBVの薬理学的プロファイルの中で、最も注目されているのが鎮痛(抗侵害受容)作用です。

2025年、モントリオール大学の研究チームが発表した研究では、線虫(Caenorhabditis elegans)をモデル生物として使用し、CBVとTHCVの鎮痛効果を評価しました。C. elegansはヒトのカンナビノイド受容体およびバニロイド受容体のホモログを持つため、カンナビノイド研究のモデルとして適しています。

この研究で明らかになった主なポイントは以下の通りです。

用量依存的な鎮痛効果:CBVは熱回避アッセイにおいて、用量依存的に侵害受容反応を減少させました。特に10μMおよび25μMの濃度で有意な効果が確認されました。

持続的な効果:CBVはTHCVと比較して、より持続的な鎮痛効果を示しました。6時間のウォッシュアウト(薬物除去)後もCBVの効果は維持されましたが、THCVの効果は消失しました。

作用メカニズム:変異体解析により、CBVは主にNPR-32(カンナビノイド受容体ホモログ)とOSM-9(バニロイド受容体ホモログ)を介して作用することが示されました。

分子レベルの影響:プロテオミクス解析により、CBVは組織発達、細胞遊走、感覚シグナル伝達に関わるタンパク質を調節することが明らかになりました。

💡 研究の意義
この研究の著者らは、CBVとTHCVが「非精神活性の鎮痛薬候補」としての可能性を持つと結論づけ、哺乳類のペインマネジメントへの応用に向けた更なる研究の必要性を強調しています。

参考:bioRxiv – Cannabivarin and Tetrahydrocannabivarin Modulate Nociception via Vanilloid Channels and Cannabinoid-Like Receptors in C. elegans (2025)

6-2. 抗炎症作用

CBVは炎症を特徴とする疾患の管理に寄与する可能性が示唆されています。フィトカンナビノイド全般に見られる抗炎症特性が、CBVにも当てはまる可能性があります。CBVの分子構造やECSとの相互作用パターンから、炎症性メディエーターの産生を抑制する作用が推定されていますが、CBV単独での抗炎症効果を直接検証した研究はまだ限られています。

6-3. 神経保護作用

一部の予備的研究では、CBVが脳の健康を保護し、神経変性疾患に対抗する神経保護効果を持つ可能性が示唆されています。CBVは他の酸化型カンナビノイド(CBNなど)と同様に、酸化ストレスから神経細胞を保護する可能性があります。前述のモントリオール大学の研究でも、CBVがWNTシグナル伝達経路やRNA合成に関連する広範な分子プログラムを活性化することが報告されており、神経系での役割が注目されています。

6-4. 抗がん研究への示唆

フィトカンナビノイド全般に、がん細胞に対する抗増殖作用が報告されています。THCやCBDは甲状腺、脳、乳房、前立腺のがん細胞に影響を与えることが知られていますが、CBVについても間接的な知見が蓄積されています。大麻草に含まれるフラボノイドの一種であるカンフラビンAが、膀胱がん細胞に対して細胞毒性を示すことが確認されており、この作用にCBVを含む複数のカンナビノイドとの相乗効果が関与している可能性が報告されています。

参考:Marijuana Doctors – Cannabivarin (CBV)

⚠️ 重要な注意
CBVの効果に関する研究の多くは、前臨床段階(動物実験やin vitro実験)のものです。ヒトを対象とした臨床試験はまだ実施されておらず、上記の効果は「期待される可能性」であり、確立された医学的効果ではありません。CBVを医療目的で使用する場合は、必ず医療専門家に相談してください。

7. CBVとACE2受容体:抗ウイルス研究

COVID-19パンデミックを契機に、カンナビノイドとSARS-CoV-2の関係についての研究が活発化しました。その中で、CBVも注目の対象となっています。

7-1. ACE2受容体とは

ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)は、SARS-CoV-2ウイルスがヒト細胞に侵入する際に利用する受容体です。肺、心臓、腎臓、腸管などの内皮細胞に広く発現しています。ACE2受容体への結合を阻害できる物質は、ウイルスの細胞侵入を防ぐ可能性があります。

7-2. カンナビノイドとACE2の分子モデリング研究

分子モデリング研究において、大麻草の活性成分がACE2受容体と相互作用する可能性が検証されています。この種のin silico研究では、CBVを含む複数のカンナビノイドがACE2に結合する能力を持つことが示唆されました。ただし、これは計算科学的な予測であり、実際の抗ウイルス効果を直接証明するものではない点に注意が必要です。

なお、より直接的な実験研究では、CBDA(カンナビジオール酸)やCBGA(カンナビゲロール酸)がSARS-CoV-2のスパイクタンパク質に結合し、ウイルスの細胞侵入を阻害することが確認されています。CBVについても同様のメカニズムが働く可能性がありますが、さらなる検証が必要です。

参考:PMC – Molecular Modeling Targeting the ACE2 Receptor with Cannabis sativa’s Active Ingredients (2022)Journal of Natural Products – Cannabinoids Block Cellular Entry of SARS-CoV-2 (2022)

8. CBVの法的位置づけ

8-1. 国際条約

CBVは国連の向精神薬条約(Convention on Psychotropic Substances)のスケジュールに掲載されていません。つまり、国際的な薬物規制条約の直接的な規制対象外です。

8-2. 日本における法的状況

日本では大麻取締法の改正(2024年12月施行)により、規制の対象が「大麻草」から「THCおよび特定のカンナビノイド」に変更されました。CBVは精神活性作用を持たないカンナビノイドであり、THCの定義には該当しないため、現時点では規制対象外と考えられます。ただし、CBVを含む製品が合法的に流通するためには、原料の由来や製造過程においてTHCが基準値以下であることが必要です。法規制は変動する可能性があるため、最新の法令を確認することを推奨します。

8-3. 米国における法的状況

米国連邦法では、CBVは規制薬物リストに掲載されていません。ただし、THCの類似体(アナログ)とみなされる可能性があり、その場合、ヒトへの摂取目的での販売や所持は連邦アナログ法(Federal Analog Act)の対象となる可能性があります。

💡 WING CBDの取り組み
WING CBDでは、すべてのカンナビノイド原料についてCOA(成分分析証明書)を公開し、厚労省認定検査機関での分析を実施しています。合法かつ安全な原料のみを取り扱っています。

9. CBVと他カンナビノイドの相乗効果(アントラージュ効果)

アントラージュ効果(Entourage Effect)とは、カンナビノイド・テルペン・フラボノイドなど、大麻草に含まれる複数の成分が協調して働くことで、個々の成分単独よりも大きな効果を発揮する現象です。Russo博士の2011年の論文で体系的に提唱されたこの概念は、現在のカンナビノイド研究において重要な枠組みとなっています。

9-1. CBVのアントラージュ効果への寄与

CBVは単独では作用が穏やかですが、他のカンナビノイドやテルペンと共存することで、全体の効果を調節・増強する「モジュレーター」として機能する可能性があります。前述のカンフラビンAとの相乗作用や、CBVが活性化する広範なシグナル伝達経路の存在は、CBVがアントラージュ効果に貢献しうることを示唆しています。

9-2. CBVとテルペンの組み合わせ

カンナビノイド製品の品質は、テルペンとの組み合わせによって大きく左右されます。特に、カンナビス由来のCDTテルペン(Cannabis Derived Terpenes)は、カンナビノイドのアントラージュ効果を最大限に引き出す天然テルペン原料です。CBVを含むフルスペクトラム原料やブロードスペクトラム原料にCDTテルペンを配合することで、品種固有の香りと相乗効果を同時に実現できます。

WING CBDのテルペン・カンナビノイド原料はこちら:

CDTテルペン カンナビノイド原料一覧 ハイブリッドテルペン

参考:PubMed – Russo, E.B. (2011). Taming THC: potential cannabis synergy and phytocannabinoid-terpenoid entourage effects

10. CBVの検出・分析方法

CBVの正確な同定と定量には、高精度の分析技術が不可欠です。研究および品質管理で使用される主な方法は以下の通りです。

分析方法用途特徴
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)定量分析・純度測定最も広く使用される。他カンナビノイドとの分離が可能
GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析)定性・定量分析分子量と断片パターンから同定。CBVの最初の合成識別に使用された
LC-MS/MS(液体クロマトグラフィータンデム質量分析)微量分析・代謝物分析生体試料中の微量CBVの検出に適する
NMR(核磁気共鳴分光法)構造解析分子構造の完全な決定に使用
UV分光法反応モニタリングTHCVからCBVへの酸化反応の進行確認に使用

CBVの最初の合成識別に関する研究として、Bailey & Gagné (1975) のGLCを用いたカラム上メチル化法が知られています。この研究により、CBVを合成CBDやCBC(カンナビクロメン)と区別する分析手法が確立されました。

参考:Bailey, K. and Gagné, D. (1975). Distinction of synthetic cannabidiol, cannabichromene, and cannabivarin by GLC using on-column methylation. J. Pharm. Sci., 64: 1719–1720. | MedKoo – CBV Reference Standard

11. CBV研究の今後の展望

CBV研究は現在、飛躍的な発展の入口に立っています。今後期待される研究の方向性は以下の通りです。

11-1. ヒト臨床試験への移行

現在のCBV研究はほぼすべてが前臨床段階です。2025年のモントリオール大学の研究で示された鎮痛効果を、齧歯類(マウス・ラット)モデルで確認し、最終的にヒト臨床試験に進めることが次のステップです。

11-2. 薬物動態(PK)の解明

CBVの体内での吸収・分布・代謝・排泄(ADME)プロファイルはまだほとんど解明されていません。特に、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)、血中半減期、主要代謝物の同定が急務です。

11-3. 受容体プロファイルの精密化

CB1・CB2受容体以外のターゲット(GPR55、PPARγ、TRPV1-4など)に対するCBVの活性を体系的に評価することで、CBVの作用メカニズムの全体像が明らかになると期待されています。

11-4. 製剤化技術の開発

CBVの脂溶性の高さと植物中の含有量の少なさは、製剤化における課題です。ナノ製剤や生体酵素合成による大量生産技術の開発が、CBVの実用化に不可欠です。

12. よくある質問(FAQ)

Q. CBVを摂取すると「ハイ」になりますか?
A. いいえ。CBVは非精神活性のカンナビノイドであり、THCのような精神活性作用(多幸感・酩酊感)は報告されていません。CB1受容体への結合親和性が低いことがその主な理由です。
Q. CBVはドラッグテストで陽性になりますか?
A. 一般的な薬物検査はTHC(および代謝物のTHC-COOH)を検出対象としています。CBV自体はTHCとは異なる化学構造を持ちますが、CBVを含む大麻抽出物にはTHCが共存している場合があるため、抽出物由来のCBVでは検査結果に影響する可能性があります。純粋なCBVアイソレートであれば、理論上はTHC検査で陽性にはなりません。
Q. CBVとCBDVは同じものですか?
A. いいえ、異なる物質です。CBV(カンナビバリン)はTHCVの酸化生成物で、CBNのプロピル同族体です。一方、CBDV(カンナビジバリン)はCBDのプロピル同族体で、てんかん研究で注目されています。名前が似ていますが、化学構造も薬理作用も異なります。
Q. CBVを含む製品はどこで購入できますか?
A. CBVは微量成分のため、CBVアイソレートとして市販されている製品はまだ限られています。フルスペクトラム抽出物やブロードスペクトラム抽出物に微量含まれることがあります。信頼できるCBD専門店でCOA(成分分析証明書)を確認し、カンナビノイドプロファイルにCBVが含まれているかチェックすることをお勧めします。
Q. CBVは日本で合法ですか?
A. CBVは精神活性作用を持たず、現在の日本の法律でTHCとして規制されている成分には該当しないと考えられます。ただし、CBVを含む製品の原料が合法的に輸入・製造されていること、THC含有量が基準値以下であることが前提です。

13. まとめ

CBV(カンナビバリン)は、大麻草に微量含まれる非精神活性カンナビノイドで、THCVが酸化されることで生成されます。CBNのプロピル同族体として、独自の化学的・薬理学的プロファイルを持っています。

2025年のモントリオール大学の研究で用量依存的な鎮痛作用が確認されたことで、CBVへの科学的関心は急速に高まっています。鎮痛・抗炎症・神経保護・抗ウイルス研究における可能性は非常に有望ですが、ヒト臨床試験による効果の検証はこれからの課題です。

CBD・CBN・CBGなど主要カンナビノイドの研究が成熟する中で、CBVのようなマイナーカンナビノイドの解明は、カンナビノイド科学の次のフロンティアです。アントラージュ効果の全体像を理解し、より効果的なカンナビノイド製品を開発するためにも、CBVの研究進展に注目していく価値があります。

WING CBDについて
WING CBDは大阪に2店舗を構えるカンナビノイド・テルペンの専門店です。すべてのカンナビノイド原料はCOA完備厚労省認定検査機関での分析済みCBDアイソレートCBNアイソレートCBGアイソレートCDTテルペンなど、高品質な原料を取り揃えています。業者様の大量仕入れも歓迎します。

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14. 参考文献一覧

  1. PubChem. Cannabivarin (CID 622545). National Library of Medicine. https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Cannabivarin
  2. Wikipedia. Cannabivarin. https://en.wikipedia.org/wiki/Cannabivarin
  3. Bailey, K. and Gagné, D. (1975). Distinction of synthetic cannabidiol, cannabichromene, and cannabivarin by GLC using on-column methylation. Journal of Pharmaceutical Sciences, 64(10): 1719–1720.
  4. Metabolon. Cannabivarin. https://www.metabolon.com/metabolites/cannabivarin/
  5. Boujenoui, F. et al. (2025). Cannabivarin and Tetrahydrocannabivarin Modulate Nociception via Vanilloid Channels and Cannabinoid-Like Receptors in Caenorhabditis elegans. bioRxiv. https://doi.org/10.1101/2025.08.07.669105
  6. Boujenoui, F., Nkambeu, B., Salem, J.B. et al. (2024). Cannabidiol and Tetrahydrocannabinol Antinociceptive Activity is Mediated by Distinct Receptors in Caenorhabditis elegans. Neurochemical Research, 49: 935–948. https://doi.org/10.1007/s11064-023-04069-6
  7. WO2017175064A1. Bioenzymatic synthesis of tetrahydrocannabivarin (THC-v), cannabinol (CBN), and cannabivarin (CBV) and their use as therapeutic agents. WIPO. https://patents.google.com/patent/WO2017175064A1/en
  8. El Ouafi, Z. et al. (2022). Molecular Modeling Targeting the ACE2 Receptor with Cannabis sativa’s Active Ingredients for Antiviral Drug Discovery against SARS-CoV-2 Infections. Molecules. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9793058/
  9. van Breemen, R.B. et al. (2022). Cannabinoids Block Cellular Entry of SARS-CoV-2 and the Emerging Variants. Journal of Natural Products, 85(1): 176–184. https://doi.org/10.1021/acs.jnatprod.1c00946
  10. Russo, E.B. (2011). Taming THC: potential cannabis synergy and phytocannabinoid-terpenoid entourage effects. British Journal of Pharmacology, 163(7): 1344–1364. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21749363/
  11. ChemSpider. Cannabivarin (ID: 540898). https://www.chemspider.com/Chemical-Structure.540898.html
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  15. MedKoo Biosciences. Cannabivarin (Product #61314). https://www.medkoo.com/products/61314

© 2026 WING CBD | 本記事は情報提供を目的としたものであり、医療上のアドバイスを提供するものではありません。
カンナビノイドの使用に関しては、医療専門家にご相談ください。

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